ザコン享年17歳

飲んでいて、どこが持っていたんだっけ?とうろ覚えで、どうしても思い出せなかったので、思い出しがてら整理してみる。

ざっくり言うと経過はこんな感じではないでしょうか。



LAOXの経営悪化*1

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ジョイント・コーポレーションが取得:地上げ&再開発コンボで一儲け企む
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リーマン・ショック(2008年9月)ぷぎゃー

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ジョイント・コーポレーション会社更生法の適用を申請(2009年05月29日)

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株式会社レノが、スポンサーに決定(2009年11月02日)

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ザ・コンに建築計画の看板が(2011年04月)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110423/etc_laox.html


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AKIBAカルチャーズZONE開店(2011年07月01日予定)


  • ジョイントコーポについて。地上げのビジネス用語で言うところの不動産流動化事業が得意な企業でした。

以下、帝国データバンクより

(株)ジョイント・コーポレーションは、1973年(昭和48年)3月に(株)大として設立され、97年4月に旧・(株)ジョイント・コーポレーション(昭和61年9月設立)と合併し、現商号となった。90年代半ばから販売を拡大し、98年に株式を店頭公開。99年に東証2部へ、2001年には東証1部へ上場を果たした。マンション分譲と不動産流動化事業を手がけ、分譲事業については首都圏を中心にブランド名「アデニウム」シリーズを展開、流動化事業では賃貸マンション、商業施設、オフィスなどを手がけるほか、グループとして不動産の企画・開発のほか、中古物件のバリューアップ、ファンドや投資家への売却も行っていた。2000年以降は、米投資ファンド不動産投資信託向けの賃貸マンション供給で合意するほか、外資系証券会社と不動産投資ファンドを設立することで合意するなど業容を拡大、2001年には(株)エルカクエイ(2000年2月会社更生法、現(株)ジョイント・レジデンシャル不動産)の株式を取得して子会社し、2003年3月期の年売上高は約617億4200万円を計上していた。その後もマンションブームに乗りマンション供給が高水準で推移、近年は都心部での土地仕入れは厳しさを増していたものの千葉、埼玉での事業展開を増やし、2008年3月期の年売上高は約997億900万円にまで達していた。

しかし、用地取得に伴う有利子負債が膨らんでいたうえ、2007年後半からはサブプライムローン問題による資金の停滞、資材価格上昇によるマンション価格の高騰、不動産販売市況の悪化など事業環境は厳しさを増し、2008年9月にはオリックスグループから100億円の出資と200億円の融資枠の設定契約も受ける一方、リストラに取り組んでいたが、2009年3月期の年売上高は約704億9400万円にまで低下し約552億5100万円の欠損を計上、今回の措置となった。

実は、オリックスが一時、ジョイントに助け舟を出しています。
上にもありますが、資本提携です。内容としてはジョイント・コーポがオリックスに対して総額100億円の第三者割当増資(9月払い込みの普通株40億円と11月払い込みの優先株60億円)を実施するというもの。
が、結局見捨てられたわけですね、トホホ・・・。

  • ジョイントのスポンサー探し


そんなこんなで、地上げ半ばで、ザコンは塩漬けになってしまいました。
会社更生法申請中では、とてもとても一等地とはいえ、手が出るものではありません。権利関係もさぞ複雑なんでしょうね。

スポンサー探しと言いますが、死体に群がるハイエナを想像してもらえばたぶん間違っていない、と思います。金の匂いに敏感なカタギじゃないひとたちがわんさか集まるわけですね、はい。

事態が動くのは、スポンサーに株式会社レノという聞きなれない会社が選定されてから。ここも???ですが、村上ファンドのダミーとの噂が。おお、こわいこわい。
http://accessjournal.jp/modules/weblog/index.php?user_id=0&cat_id=130


その前に。
ザコンの隣に時間貸し駐車場があるのはご存知でしょうか?
2011年6月現在しれっと営業していますけど、どうもそこをこっそりジョイントが売っぱらっていたみたいなんですよね〜。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/nfm/news/20101227/544921/


で、栄研化学株式会社ってなんぞ?って調べてみたら、ビンゴ。ここはさすがにカタギの上場企業でした。しっかり固定資産取得のIRも出ています。土地だけで33億5000万円だそうです。何でも本社ビルを建てるとか・・・。
正直やめとけ、としか思えません。
まぁ、30億くらいならお買い得ですね!?
これが2010年12月のことです。
http://www.eiken.co.jp/news/pdf/20101222-1.pdf


前置が長くなりました。


ザコンのビルは、絶賛改装中ですが、AKIBA PCホットライン!に掲載されている「写真の建築計画のおしらせ」の建築主に注目すると、これがまた、株式会社ラ・アキバっていう???な会社です。とってつけたような、特定目的会社っぽい感じです。資本金がたったの300万円です。登録されて一年も経ってませんとか、どんだけペーパーカンパニーなんだよ、という感じです。

http://www.takken.metro.tokyo.jp/TIGV0300?LICENSENO=13091213&CNTFLG=1


よくわかりませんね。さすがにケイブックスの賃貸借契約の相手が誰なのかは地元の不動産屋とかに聞かなきゃわからないしー。
ただ、ひとつ言えることは、よくもまぁこんないわくつきな物件に入居する気になったもんだ、ってこと。
悪い予感がするというか遠からず、何かが起こる気がしてきませんか。再度の移転をするだけの体力がケイブックスにあるとも思えないので、何事もなければ良いのですがね。
その点、入居しない海洋堂さんは賢明だと思いますよ。


とまぁ、ザコンの栄光と挫折の歴史をざっくり概観してきたわけですが、如何だったでしょうか?電脳街秋葉原の象徴とまで言われたザコンが、お金儲けのオモチャにされて翻弄されるさまは、見ていて実に清々しさとは一切無縁なドロドロした、魑魅魍魎が蠢いている様に、バブル時代の残滓のような、侘び寂びを感じずにはいられません。


願わくば、新生ケイブックスにて萌え同人グッズを買う際には、汚い大人に良いようにされて「悔しい、でもビクンビクン」の末に、萌えグッズにまみれた「AKIBAカルチャーズZONE」なる立派なビッチとして生まれ変わるザコンちゃんが、かつてはWindowsOSの深夜販売に代表される清純時代もあったことに思いを馳せ、秋葉原の街の変遷、ひいては諸行無常を感じとって貰えたら、と思うのです。


【追記】 2011/07/09


ザコン跡地について、2、3続報がりましたので追記です。
ラオックスが譲渡した価格が約60億2100万円とのことです。

LAOXのIR(当時)
http://www.laox.co.jp/laox/press2007/070814.pdf


で、週刊誌報道によりますと、個人投資家BNF氏が東京・秋葉原の商業ビルをキャッシュ一括で購入とのことです。

http://media.yucasee.jp/posts/index/8183

消えそうなので、一部引用しておきます。

資産200億円以上の個人投資家BNF氏が東京・秋葉原の商業ビルをキャッシュ一括で購入していたことが6日わかった。170億円はすると見られ、2008年に購入した90億円のビルと合わせ、大型商業ビルを2棟所有したことになる。

週刊新潮によると、BNF氏が購入したJR秋葉原駅徒歩3分の「AKIBAカルチャーズZONE」で、7月1日にリニューアルされたばかりで、1、2階に書店が入るのみだという。敷地面積は800平方メートル、地上6階、地下2階建てで、家電量販店の旧LAOXが店舗を構えていたといえば判りやすいか。

というわけで、オーナーがあっさり判明してしまいました。
170億はねーわ、という感じでしょうか。
良くて、その半分くらいではないでしょうか?

*1:その後、中国資本に買収されますた