日経平均が最高値を更新だって

まさに株高不況の様相。株が上がっているように見えて、通貨が棄損しているという言説もちらほら見かける。

 

どんなことでも必ず、最善の方法を知っている人がいるものだ。わたしはいつも助言をしてもらっているなじみの行員のところへ行った。すると、こう言われた。「やっぱりわたしの言ったとおりになりましたね。あのとき、スイスフランに替えていたら、資産の4分の3を失わずにすんでいたのですよ」「失うですって!」わたしは驚きのあまり、大きな声を上げた。「なぜ?またクローネ*1は回復するんでしょう?」「回復ですか?」行員はそう言って笑った。(中略)「では、その見込みがあるかどうか、試しにこのクローネ紙幣を交換してみてください。そうですね、20銀クローネと交換してもらえるかどうか」「ええ、でも、わたしが持っているのは政府の証券です。いちばん安全な証券でしょう?」「奥様、その証券を保証してくれる政府はどうなりました?死んでしまいましたよ」

 

 

「1919年12月15日、アイゼンメンガー夫人は日記に次のように書いた。チューリヒ市場でのクローネの下落傾向は変わらないが、「わたしが買った工業株は、不可解なほど値上がりしている。不安を覚えるほどだ」。(『ハイパーインフレの悪夢』より)

 

*1:アイゼンメンガー夫人の故国であるオーストリアの通貨単位