弱き者、汝の名は買い専

のっけから和製英語でスイマセン。
間があいてしまいましたが、空気を読まずに、先のエントリの続編・・・?になります。


サークル・一般参加者・スタッフ3者は、同人誌即売会を構成する上で、いずれも欠くことの出来ない要素であります。


先のエントリは、サークルさんにまずは価格決定権(頒布方法・冊数含む)があることを確認しましょう、話しはそれからだ、という意味を込めて書きました。


同人誌を頒布するまでに掛かったと思われる諸費用を積み上げて、原価がこれくらい(だと思われる)のに頒布価格がこれくらいだとすると高い/安いよね、というスタンスを仮に「原価至上主義的アプローチ」と呼ぶことにします。


これに対し、私は頒布価格に対する原価の割合はあまり気になりません。むしろ、邪道だとさえ思っています。頒布価格が高いか安いかそれを決めるのは内容―買い手がどれだけの価値を見い出すか、見い出したかに依存する、そういうスタンスです。これを仮に「価値至上主義的アプローチ」と呼ぶことにします。


まぁいずれも結局のところ、買い手視点からの俯瞰色が強いというご指摘はありましょう。


異なっているということと正誤はまた別です。
前者の観点からすると、商業の単行本が〇円なのに、という感覚でしょうし、後者の立場からすると商業の価格設定と比較することはそもそも無理があるだろ、常識的に考えて、というわけであります。


まぁしいて言えば好みの問題です。


ジャンプの単行本が〇円なのに同人誌は・・・という人はどうぞお引き取り下さい、そういう意図の下に先のエントリを書きました。
思考実験として、計算するくらいなら、笑って済ますのが大人な態度というものなのでしょうが、ちょっと看過出来ないニュアンス―なぜ高いか―、既に高いという「決めつけ」にカチンときたので、野暮なことは止めなさい、と、そういうことです。


しかしながら、同人において「好み」ほど重要なことが他にありますでしょうか、いや、ないと、わざとらしく反語で強調致します。伊達と酔狂で描かれた同人を、こちとらやはり伊達と酔狂で買っているんだ、てやんでい!というわけであります。


ぜいぜい。


サークルさんが自サークルの同人誌にどういった値付け(意味づけ)をするかは、すべてサークルさんサイドに委ねられており、誰もそれを強要したり侵害することは出来ないと考えております。


もちろん、サークルさんサイドは、頒布価格の決定にあたっては印刷代やらイベント参加費用やらをある程度までは考慮に入れるでしょうし、(専業同人の)人によっては「人件費」までも含むかもしれません。


オフセを無料配布されようが100万円で頒布されようが、じゃんけんだろうが麻雀だろうが、基本的に同人誌即売会のルール・秩序に則っている限り、買い手が現れるかどうかは別にして、無問題であるでしょう。


ごく稀に空気の読めない人気サークルさんが、無自覚なのか意図的なのかは分かりませんが、無料配布やら、極端に数を絞った頒布を行って混乱を引き起こすことがありますが、それはまた別のお話です。


さらに、サークルさんサイドは頒布価格の決定あたって当然のことながら「同人誌の相場」についても一定の考慮を払うでしょう。


実を言うとあまり「同人誌の相場」という術語は使いたくないのです。極めて定義が曖昧であるように感じられるので。慣例的にオフセ同人誌が一冊〇〇〇円というのはあるでしょうが、個々人やらジャンルによっても相場感が様々で、収斂するにしてもかなり幅をもった、むしろ価格帯ぐらいの方が自分的にはしっくりきます。



長い長い(w、前置きがようやく終わりまして、いよいよ本題です。


それでは、サークルさんが値付けされたところの同人誌を、買い専は黙って買うしかないのでしょうか?
一面的にはその通りですが、もちろん、そうではありません。買い専は「買わない自由」を持っています。


というわけで、今回はここまで。気が向けば続きます。


オチ的には、あれだ、サークルと一般参加者とスタッフが皆対等っていうのは、理念ではそれで良いし、そうでなければならないけど、現実に当て嵌めるとさ、いろいろ無理が出てくるんだけど、さてどうしたもんかね?という方向性にしかならんだろっという気がしてきています。