米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』

ネットの評判を見て購入。ぱっと見、少女小説かなと思ったのですが、連作ミステリというかほのぼのとした微笑ましいストーリー仕立てです。兎角、見た目の派手さやインパクトで勝負しがちな中、箸休めというかこういった人が死なないミステリーも良いものです。作者の出世作?の『さよなら妖精』に興味がわくもどこも置いていないし。小佐内さんの喋りというか口調がどうも意図して書いているのかどうなんだろう。全体的に抑えた筆致がとても好感が持てます。著者略歴を見たら、78年生まれで01年デビュー。若いですね。順調な作家人生というのか寡作というのか。創元というのがまたマイナーだから不憫といえば不憫。