サンクリ42の反省会に関して

 閉会後、開催された反省会はやはり荒れたらしい。
色々あって、自分自身は出席することなく、池袋を後にしたわけではあるけれど、各所からの伝聞ではグダグダという評価では一致しているように思います。まぁこれはちょっと酷な話で、初めから負け戦なんだから、どうやっても非難されるわけで、事務局としては何を言われても黙って甘受するほかありますまい。


せめて、データの入ったノートPCを盗難された、とかならまだ同情の余地はあったのに、ファイル共有ソフトでやっちゃいました、というのは、およそ考えられる中でも最悪な部類なわけで、のっけから、反省会とは名ばかりで実質的には吊るし上げ、良く言っても謝罪会見としての場にならざるをえないことは目に見えていたわけです。


世間を見渡せば、耐震・食品偽装問題やらで企業のトップの謝罪会見が繰り返されたわけですが、却って命とりになったケースから、評判を高めたケース(松下電器の例の「松下電器より心からのお願いです」)もあったわけで、リスク管理とか内部統制を少し齧った人間から見ると歯がゆいものを感じます。某サイトで簡潔に纏められていたので引用させて頂きますと。

「心に届く謝罪をしなければいけない」
「重い処分を課し決意を表明する」
そして「確実な再発防止策をとる」、
これらが『解毒』であり、失った信頼を取り戻すためのスタートだと感じた。


といったようなことが肝要かと思います。


翻って今回の事務局の対応と照らし合わせると、(明確に示されたものはなかったので)どれも十分とは言えず、かえってフラストレーションを高める結果に終わってしまったのではないでしょうか。私自身はその場に同席していたわけではないので、代表の言葉が参加者の心に届いたのかどうか、判断する術はありませんが、「誠意」は伝わらなかったものと解釈せざるをえません。


興味深いことに今回、積極的に責任追及?の声を挙げているのは、どうも一般参加者サイドのように感じられるのです。
もちろん、流出させた責任の所在ははっきりさせるべきで、同人の中での自浄作用と捉えることも出来ますが、一般参加者である限りは、何らの被害も被ってはいないことには注意を払ってしかるべきでしょう。もっとも、場が消滅してしまえば、全員が等しく敗者になってしまうわけで、誰も得をしないことは明白ではあります。


言うまでもなく、直接の、そして最大の被害者はセンシティブな情報を暴露されてしまった「サークル」さんですが、公の場で非難する声はあまり聞こえてはきません。腹の中で煮えくり返っていたとしても、サークルさんはこの場に留まるならば、これからも付き合う可能性の高い、準備会/事務局相手に事を荒立てるのは得策ではない、という要素が働いていると勘ぐってしまうのは致し方のないことではないでしょうか。それもあってか、どうにも温度差のようなものを感じてならないのです。


自分自身も一般参加者ではありますが、今回の一件のようなケースは驚きでしたが、やはりサークルさんはそれなりのリスクをとって参加されているわけで、それに比べれば一般のそれが限定的なものに留まるのは事実でしょう。同人誌即売会の参加者は皆、青臭い言葉で言えば「同志」なわけです。厳しい意見が出るのも一重にサンクリなかんずく、こういった場を継続していって欲しいという切実な危機感の表れ、愛着の深さだと思います。(彼らが)安全地帯からとやかく言うのを眺めるのは、あまり格好良いことはありませんし、そこに一抹の気持ち悪さも覚えなくはないのですが、つまらないことで萎縮し、停滞するのは誰も望んではいません。願わくば、各自が良い落としどころに到達し、障害を乗り越え、再開されることを希望してやみません。