アーサー・C・クラークの死を悼む

昼休み職場でネットに繋いだら某所経由に不穏なエントリを見つけてしまう。慌ててお悔やみ欄を見たら・・・。SF者の端くれとして哀悼の意を表します。御年90歳、持病がありながら驚くべき長寿でしたね。やはりスリランカの風土が故人の気質とよく合ったのでしょうか。


いわゆる黄金期は知らないもののクラークは、確かに偉大なSF作家、そして良きSFの伝道者でした。『2001年宇宙の旅』、『地球幼年期の終わり』、『楽園の泉』・・・。どれか一つと言われたら、やっぱり2001なんですが、生きて21世紀を迎えた、その事実だけでも特別の感情が揺さぶられます。なんか昨日トップを狙え!の劇場版なんか見たもんだから変なスイッチが入っていますね・・・。


故人の評伝・業績なんかはおそらくSFマガジンが大特集を組んでくれることに期待して積ん読になったままの『渇きの海』を供養がてら読もうと思ったのでした。


やっぱり2001は多くの人にとってそうでしょうが特別な、本当に特別な思い入れがあるんですよ。ファーストコンタクトはたぶん、同名のキューブリックの映画だったように思うのですが、衝撃的という言葉だけでは済まされない、えらいものを見てしまった、感と言いますか・・・。
確かにいま普通の人が見たらハリウッド的には全く盛り上がりに欠けるし、100人のうち90人くらいがわけ分からんとか途中で寝ると思うんだけど、冒頭のモノリスによって猿が骨を叩いて、放り投げ――宇宙船へと繋がっていく――は音楽の禍しさも手伝って恐るべき出来に仕上がっています。あんな印章的なシーンはそうはありません。