『ホミニッド―原人』ロバート・J・ソウヤー著

ヒューゴー賞受賞作。読み終わりましたので、報告をば。ソウヤーにしては珍しくアレなシーンがありますが、全然萌えません。
ま、それはともかく、平行世界を自由にジャンプ出来たら、というワンアイディアに、法廷劇やらネアンデルタールか否かなど、何本かの話の筋が進行するという手馴れた作家らしく上手に纏め上げています。
反面、とてつもないサプライズとかにはやや欠けるわけでありまして、ソウヤーはそういう作家ではない、と割り切っています(言い過ぎか?かつ、断言していいの?)。サプライズ(衝撃)と言えば、ぱっと思いつくのは、古くは、『アクロイド殺し』に始まり、『夏への扉』、『星を継ぐもの』、『アルジャーノンに花束を』、『2001年宇宙の旅』、などでしょうか。
ここまで強烈なサプライズとまで言わないまでも、年に数冊レベルまでには残念ながら達していないとは思う。とは言え、水準以上の作品であることは間違いなく、ソウヤーフリークであるならば、間違いなく「買い」であるし、一般的SF愛好家であるならば、自信をもってお奨めできること請け合いである。これが、人類補完機構シリーズの愛好家です、とか、SFって言うたら、銀河英雄伝説とか星界シリーズとかのスペオペのことでしょ、とかのたまう方にはちょい微妙。ハード過ぎる人とか、素人にはお薦めできない。まぁ、ド素人は、「戦国自衛隊1549」でも見てなさいってこった(いや、自分もB級映画見たさで行くと思いますが)。と言うわけで吉野屋コピペチックに攻めてみましたが、戦国自衛隊を検索してみたら、公式よりもファンページの方が上位なんですけど(笑)。
結論的には、『タフの方舟』が面白すぎるので、タフ>ネアンデルタールということにしておきます。