FOMCは、4会合連続の0.75%利上げ

11月のFOMCは、異例の4会合連続の0.75%利上げを決めました。これは予想通りなので、サプライズはなし。これにより、政策金利は3.75%から4%の幅となりました。事前の予想だと、12月から利上げ幅を0.5%に縮小し、徐々にターミナルレートに近づいていくものと思われていました。利上げから、景気が減速するまでには時間差があることを考慮しても、物価の上昇が思ったよりも減速しておりません。さらに雇用統計の数字も、依然として賃金の上昇や人手不足が続いていることを示唆しています。これらの数字を鑑み、景気の実態がどうあれ、FRBは、さらなる利上げに踏み切る公算が強くなってきたように思われます。

 

利上げの到達点が、5%前後ならそろそろ打ち止めということになりますが、どうもそれですんなりおさまる見通しがだいぶ揺らいできたように思えます。CPIと同程度くらいの8%くらい、もしかして2桁、ひょっとしてボルカー議長自体の20%も、と際限なく、上がっていく可能性も考慮に入れなくてはならないかもしれません。

 

当然、利上げが終わらない限り、株式市場の底打ちは夢のまた夢なので、物価の上昇に歯止めが掛かるのがいつなのか、とほぼ同義なのですが、依然として不透明なままです。雇用も強い数字が示され続けており、アメリカ経済はまだまだ利上げに耐えられそうです。FRBはインフレは一時的という見込み違いがトラウマになっていて、確信をもって、インフレ率の低下が明確に認められない限り、引き締め姿勢を見せることはないものと考えられます。

 

コロナショックでばら撒いたマネーは、以前とは比べようもない膨大な量です。これを回収しきるまで、インフレが続くとした場合、来年も同じペースで利上げをし続けるんじゃないかという可能性も出てきたように思えます。今はまだ、5%くらいを想定していると思いますが、この1年、打ち止め期待、緩和への転換期待で上げ、そのたびに裏切られ続けてきましたが、2022年は一貫して下げ基調は変わりませんでした。

 

さしあたって、年内最後の12月の利上げ幅も0.5%なのか0.75%なのか、どうも雲行きが怪しくなってきました。天井をつける→底打ち、株高。天井はまだまだ→みんな樹海へ、なので、もうよく分りません。3年前は米中対立で一喜一憂し、2年前はコロナで一喜一憂し、今はインフレ率に翻弄される。最近はだいぶ疲れてきました。なるようになるのだから、インフレもいずれはおさまるのか、高止まりが続くのか。思い返せば、中国はゼロコロナで勝手に自滅し、コロナバブルで天国から地獄へ。

 

インフレとの戦いはコロナのときのようにV字回復は望めず、相当な痛みを伴うものになりそうです。早くが世の中が平穏になって欲しい。心底そう思います。