YCC変更ショック

無風かと思われていた、日銀の政策決定会合での突然のYCC修正が発表され、大荒れとなりました。0.25→0.50と事実上の利上げにより、ドル円は急騰。137円くらいから132円付近までの急激な円高となりました。来春の黒田日銀総裁の退任まで、不変と思われていたイールドカーブコントロールをこのタイミングで変更するというサプライズ効果もあり、大きな変動となりました。アベノミクスの終焉、金融緩和の出口戦略という思惑からかと思います。

 

私自身としては、円高ドル安で見かけ上、大幅にお金が減って悲しいのです。これまで頑なに利上げを拒んできた日銀がなぜこのタイミングでYCC修正に踏み切ったのか、ということについては、よく考える必要があると思っています。日銀の説明を額面通りに受け取る人はいないわけで、その本音はどこにあるのだろうかということです。

 

①物価上昇

アメリカ経済の景気後退リスク

③為替の落ち着きみて

④日銀の債務超過リスク

⑤日本国債空売りリスク

⑥次期日銀総裁選び

⑦日本政府の意向を忖度

 

いろいろ列挙してみましたが、日銀自身の債務超過に繋がりかねない利上げを自らするという行為は、0.25%は維持できないと認めたというふうに素直に受け止めると、防衛ラインの後退ということなのかな、と思います。連続指し値オペで、無理やり押さえつけ続けようとするんでしょうが、早晩白旗を上げることになるんでしょうか。YCCの撤廃ではなく、政策の持続可能性の伸長から、利率の変更に踏み切ったのではないかと思いますが、その心はむしろYCCの強化にある、YCCを放棄した瞬間、長期金利が暴騰するリスクを内心恐れているのではないか。だとすれば、次に政策決定会合に向けて催促相場になることは必然だし、当然身構えます。

 

アメリカのインフレはピークをつけたが、現在の金利を少なくとも2023年は維持するかも(メインシナリオはターミナルレート5%代。7~8%なら暴落シナリオか)

②株式市場の利下げ期待は萎みつつあり、景気後退による業績悪化の織り込みはこれから。(クリスマス商戦も普通によくないだろう)

ウクライナ戦争に停戦の兆しなし。(冬季攻勢ありやなしや)

④中国のゼロコロナ政策放棄による感染爆発の影響が出てくるのはこれから。(春節を経てどうなるか)

⑤春以降の電気・ガス料金の値上がりによる物価の一段高(日本限定)

⑥次期アメリカ大統領選挙の候補者選び

 

見事に逆風ばかりですが、一つでも裏返すことがあれば、それを切っ掛けに反転攻勢することも、あり得ると信じるしかありませんね。いちばんありそうなのは、ヨコヨコ、ダウでいったら3万ドルを挟んでいったりきたりでしょうか。じっと耐え忍んでいくしかないですね。