FAXについて

FAXについて。レガシーな遺産であり、衰退産業であるということは衆目の一致するところであろうが、意外としぶといよ派から反論を頂いたので、いささか検討してみたいと思う。FAX不要論は、ペーパーレスとかデジタルデバイドとかDXに親和性が高く、格好の題材だからである。

 

色々ググってみるに、家庭用・ビジネス用それぞれの需要、また国内・国外でレイヤーをわけて考える必要があると感じた。

 

日本のデジタル度 2021 - 政府CIOポータル

20211010_digital_degree_02.pdf (cio.go.jp)

 

FAXは、デジタル庁によれば、上記資料ではレトロデバイスと位置付けられている。ま、予想通り、高齢者世帯や固定電話を維持している世帯での普及率が高く、固定電話は、62%でFAXは、36%とのことであった。反対派の論拠は、国内においてはまだそこそこのボリュームがあるから。この人たちは死ぬまで使い続けるだろうから。というものだろう。代替品として、スマホやらタブレット端末で用が足りるといったところで、乗り換えする人は全体からみれば少数派で、あれやこれやの理由をつけて結局使わないだろうから、死ぬまで使い続けるというのはあながち間違いじゃないと思う。FAXというのは広義のコミュニケーション端末であるから、単独では用をなさず、相手あってのものである。いわゆるネットワーク外部性というやつである。普通は、キャズムに到達するまでのクリティカルマスからの観点から考察されることが多いが、使用者が急速に減少した場合には、逆回転することとなる。主力の世代が死亡して、後続の世代の使用も先細りとなると、ある時点で無価値となることは明白である。5年先か10年先か20年先かという問題だけではなかろうか。

 

FAX機器を開発・保守する業者サイドの観点から考えてみよう。彼らも慈善事業ではないので、利潤追求の一環として業として行っているわけであるが、いわゆる残存者利益狙いということになる。先がないことは重々承知しているにしろ、枯れた技術であるがゆえに、海のものとも山のものとも分からない新規投資に比べて、費用対効果が高いであろうことは容易に推察できる。

 

が、残念ながら活版印刷がDTPに駆逐されたように時間の問題である。違いは、ユーザーが専門職の間で利用されてきたのか、市井の人かということであろう。専門職であれば経済性が最優先されるが、個人は二の次であり、慣れ親しんだ機器を使いたがるということなんだろうと思う。となると、iPhoneとかは、向こう何十年か使い続ける莫大な、極めてロイヤリティの高いユーザーを獲得したことになるのだろうか。彼らは死ぬまでiPhoneを使い続け、Appleのエコシステムの中でお金を落とし続けるのだろうか。それとも、また別の画期的なデバイスが発明、普及し、過去のものになるのかは分からない。

 

少し脱線しましたが、とりあえず疲れたのでこのへんで、、、。俄然、AAPLの未来は明るいんじゃないか、と感じたのが学びでした。