底当てゲーム

5月第4週が終わりました。今週は、理由は分かりませんが、株式市場は若干戻しました。6月になって、また利上げだの、インフレだの、景気後退懸念やら原油価格の上昇とかで、すったもんだすることは目に見えているのですが、少なくとも今はやれやれとつかの間の安堵感に浸っております。十分調整したし、また少しずつ戻していって欲しいと思いますが、これくらいで許してほしいと言うか先週が悲観のピークであって欲しいと思います(願望)。特に余っているお金もないので、個別への臨時資金の投入に至らず、ホールドするのが精いっぱいでした。あとは、予め設定しておいた投信の自動買付が粛々と行われたようです。若干気がかりなのは、無限に続くかと思われた円売りが逆回転し始め、このところ為替が1ドル130円を割り126~127円で推移していることです。何しろ、自分の財産のかなりの部分がドル建てですからね。アメリカはインフレ鎮静化のためにドル高を望んでいるし、日銀は出口には程遠く緩和継続の方向だし、このまま120~130円くらいで安定するのかも、という予感はあります。いっとき、135~150円くらい行きそうな雰囲気でしたからね。いささか急すぎたので、その反動だろうと思いますが、超長期目線では円安の潮流は揺るがないと思っています。

 

2020年2~3月のコロナショックのときは、ほぼ底で耐えきれず一部日本株を手放した苦い教訓があります。そのときは、出来た余力でぽつぽつとインデックスを買うことで、コロナバブルの恩恵を一部受けることが出来たのですが、今回はあのときのようなロックダウンという前例のない事態を前に、合理的な理由なく売られ、中央銀行の緩和余地があったために、急激な回復を遂げることが出来たときとは異なり、山高ければで中々、根が深い問題です。今となっては、巣ごもり需要とか永遠に続くわけもなく、相当程度需要の先食いをしたことを横目に、バスに乗り遅れな、と置いて行かれる恐怖心、欲豚根性があったことは否めません。

 

インフレやサプライチェーンの混乱は一時的な問題で、時間が経てば解決するのではないかというのが見立てでしたが、実態はそうではありませんでした。後知恵では、石油関連を仕込んでおけば、ウハウハだったわけですが、そんな目端が利くことは出来ませんでした。金融政策で、景気の過熱感を止めることは出来ても、中国のゼロコロナ政策が修正されない限り、供給が追い付いてこないように思えてなりません。デカップリングするからむしろ好都合という考え方もあろうかと思いますが、半導体不足等は一向に解消する気配は見えず、早くて2023~2024年くらいまで継続すると言われる始末です。

 

コロナは小康状態を保っていますが、予断を許さず、ウクライナ情勢はますます混迷を深めるなど、課題は山積みです。ともすれば、悲観に傾きがちですが、紆余曲折ありながらも、複雑に絡まった糸を一つずつ解きほぐしていくが如く、正常化の方向に向かっていくことは間違いなく、それが前と同じ世界である保証は全くありませんが、安定に向けてもがき苦しむ世界を見つめ、いずれ最高値を更新すると確信しています。自分に出来ることと言えば、資産の保全も大切ですが、なるたけ退場せず、余剰資金を振り向け続けていくことくらいでしょう。

 

ここまで下げると目移りするのですが、あと10%くらいは下げる余地があると思っています。理論的には、半額セールくらいまでが最悪ケースだと思いますが、そうなったとき、そうなる前に引き際も一定程度考慮しなくてならないと思いつつ、結局は出たとこ勝負にならざるをえない予感がします。借金があるわけでなし、仮に全損したとしても、明日の生活に困るわけではないので、嫌々ながらも労働すれば、糊口をしのぐことくらいは出来るでしょう。目線は、数年以上先なわけですから基本的にはどっしりと構えておけばよく、自分の恐怖感、恐怖心にどう打ち克っていくことに尽きるかと思います。買い持ちしていれば必ずしも報われるとは限りませんが、手放せばそれ以上の損失を被ることから免れることと引き換えに可能性そのものを失ってしまいます。いずれ反転する日を楽しみに、足掻き続けたいと思います。